カレンダー
タグ
漢方薬(47)
緑内障(15) 脊髄小脳変性症(13) 治療法(11) ストレス(6) 漢方治療(6) 膠原病(5) うつ病(5) 関節リウマチ(5) システム医学(5) 多系統萎縮症(4) 手術(4) パーキンソン病(4) 高血圧(4) ステロイドホルモン(4) 中国伝統医学(3) シェーグレン症候群(3) 咳が止まらない(3) 糖尿病(3) 認知症(3) 最新の記事
検索
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
2017年 10月 31日
正常眼圧緑内障(健常な人の眼圧は10mmHgから21mmHgとされています)は日本人の緑内障の80%を占める。 欧米の緑内障は大多数が眼圧が高いことが原因である。同じアジアでも中国などでも正常眼圧緑内障は少ない。眼圧が高い緑内障は眼科手術や点眼薬で治療できる。 正常眼圧緑内障の原因は視神経の脆弱性によると考えられているが、 ではなぜ日本人は視神経が脆弱なのか。ここ十数年ほど正常眼圧緑内障の病態診断と中国伝統医学による生薬治療を試みた結果、その原因は大多数が胃腸の虚弱にあることが分かってきた。 さらに、胃腸の虚弱は消化機能低下による場合と自律神経による消化機能調節障害による場合に分けられる。また、数は少ないが全身のエネルギー代謝の低下による場合、臓器、組織の脱水による異化亢進の場合もある。これらの原因で視神経への血行障害や栄養障害、浮腫、組織の変性などが引き起こされて視神経萎縮が生ずると思われる。 したがって正常眼圧緑内障は眼圧を下げる手術や点眼剤での治療は有効ではない。正常眼圧緑内障の原因は重層的かつ複雑であり個々人で異なるので、原因となる病態を正確に鑑別診断し、診断の基づいて多数の生薬を組み合わせて処方を作成することで個々人の緑内障の進行を止めることができる。同じ緑内障でも人それぞれで有効な処方内容、治療に必要な期間は異なる。
#
by tetsu1948
| 2017-10-31 14:19
2017年 10月 25日
我々は10例の高血圧症の患者(男性6例、女性4例、年齢40才代 1例、50歳代 2例、60歳代 4例、70歳代 3例、最高76才、高血圧歴 2−10年、 4例は降圧剤を服用中)で五臓六腑のシステムのどこにどのような異常が存在するのか詳細な鑑別診断を行った。鑑別診断(証候の弁別)は、陰陽、虚実、表裏、寒熱、五臓の機能異常、気血津液の異常、病因(内因「精神的因子」、外因「環境因子」、その他「食餌、運動、生活習慣など」)などに関して行った。 寒熱、虚実の鑑別診断では10例の内5例が実証の熱証で、1例が虚証の熱証、4例が虚証の寒証であった。五臓の鑑別診断では表1に示すように肝システムの異常が全例で認められた。肝は運動神経や交感神経を中心とする神経調節系であるが高血圧症で認められた異常の病態(証)はそれぞれ異なるが全例が機能亢進であった。次に多かったのは脾のシステム異常であった。 10例中8例に脾(消化器系)の異常が認められたのである。脾の異常は機能低下が半数の4例で、機能亢進も4例であった。腎システム(内分泌系)の異常は6例で認められた。そのうち3例は機能低下であった。心システム(循環器系)の異常は3例で認められた。そのうち機能低下が2例であった。肺システム(呼吸器系)の異常は1例で認められた。また気血津液の証候では8例で津液過剰が認められた。3例で津液欠乏が認められた(1例では上半身の津液不足と下半身の津液過剰「浮腫」が混在していた)。 明らかな血お(血流障害)が1例で認められた。全例で精神神経症候が認められたが(肝システムの異常による)、なかでも心理的異常が3例で見られた(心システムの異常による)。3例で飲食が関与する脾胃(消化器系)の異常を認めた。 各症例で複数のシステムの異常が絡み合って様々な証候が見られる。複数の病態が相互に重層的に関与した結果、多彩な症状を呈する高血圧症になったと考えられる。多彩な症状や所見から重要な原因病態を抽出し、それに対して重要度に対応した薬物の配合を行い治療処方を作成する。その結果これらの病態が改善され、多彩な症状や高血圧などの検査所見も改善された。 10症例の漢方治療の降圧効果をに示された。 漢方薬投与2週間後には収縮期血圧も拡張期血圧も低下することがわかる。 4週間後には収縮期血圧は治療前の171.6±16mmHgから127.0±7.3mmHgと低下した。拡張期血圧が99.4±12.1mmHgから78.3±7.4mmHgに低下した。 この結果は本態性高血圧の原因は複数の臓器の病態が複合的に関与していると考えられる。 したがって、各種の降圧剤で血圧を下げても根本的な治療は困難であり、薬を飲み続ける必要がある。 一方、中国伝統医学による治療は複数の臓器システムの病態改善により結果として血圧が下がるのであり、高血圧の根治療法と考えられる。
#
by tetsu1948
| 2017-10-25 17:36
2017年 10月 25日
秋になると咳が止まらない、精密検査でも呼吸器に異常が見られない人が多く見受けられる。 咳喘息であろうと考え、取りあえずステロイドを吸入するも効果がない。このような場合、咳の原因が精神的ストレスのことが多い。 以前に。吸入ステロイドなどの通常の喘息治療に抵抗する気管支喘息の10症例に対して中国伝統医学による診断治療を試みた結果、長期にわたり喘息発作を消失させることが可能であった。 今回の治療の基本的理念は喘息の原因は全身的な病理機序によるとの中医学的発想であった。 即ちそれぞれの症例について呼吸器症状以外の症状を詳細に分析しその病態の治療を含めた全身的な治療を行った。 たとえば。ある症例では耳鳴,眩暈,手指の振戦,不眠などの精神症状や神経症状、便秘などの消化器症状に対して強力に治療を行った。
またある症例では軟便下痢などの消化器症状と頻尿、夜間尿などの腎症状に対して治療を行った。 ある症例ではイライラなどの精神神経症状に対して治療を行った。その結果、長期にわたり喘息発作の消失とともに呼吸器以外の症状も改善、消失した。 このことはまさに気管支喘息は全身の臓腑(五臓六腑)が原因で起こる疾患であり個々の症例にたいする的確な全身的診断とそれに応じた最適な治療の構築が必要であることを示唆していた。 #
by tetsu1948
| 2017-10-25 17:00
2017年 09月 23日
最近、立て続けに心不全の患者が来院した。 息切れ、疲労感下肢のむくみ、食欲不振、吐き気などの症状である。 心不全は心臓の筋肉が弱くなり、心臓から血液を全身に送り出す機能が低下することによる。 高齢者では心筋梗塞、心臓弁膜症、高血圧などが原因で心不全を発症する。 3年ほど前に99歳の女性が心筋梗塞の後に心不全を発症して来院したが、中国伝統医学による強心生薬処方で見違えるように元気になった。最近では若年者でも特別な病気がないのに心不全を発症する人が増加しています。心不全の代表的な自覚症状は、動悸や息切れ、呼吸困難、むくみ(急な体重増加)です。最初は坂道や階段を上る時に動悸や息切れが起こり、病状が進行すると平地を歩いても息苦しくなります。それ以外にも易疲労感(疲労を感じやすくなる)脱力感、低血圧、冷や汗、四肢チアノーゼ(手足の末端の血色が悪く、青白くなる)、頭がボーとする、物忘れ(脳に十分な酸素が行き届かなくなるため)、食欲不振、吐き気、嘔吐、便秘などの症状をひきおこすことがあります。高齢者では心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患や高血圧、不整脈、心臓の弁の異常で起きる弁膜症といった持病があると、発症しやすいといわれています。しかし、若年者でも健康診断でこれまで一度も心不全といわれたことのない、健康だと思われる人でも、発症する場合が増えています。これは生活習慣によるとされています(精神的なストレスによる交感神経異常、睡眠不足、運動不足、塩分過剰摂取など)。 中国伝統医学では個々人の心不全の原因に合わせて心臓の筋肉を強くする生薬や、利尿作用のある生薬などを複数組み合わせて治療処方を作成します。特に強心生薬は非常に有効で一ヶ月で効果を発揮します。 西洋医学の強心剤と異なり副作用はありません。 その意味では心不全の治療は中国伝統医学にとって得意な分野の一つです。
#
by tetsu1948
| 2017-09-23 16:33
2017年 08月 19日
60代の男性が重篤な頻尿の治療が目的で来院した。 この方は数年間ホルモン補充療法(男性ホルモンを含む)を続けてきたが、最近、30分~1時間おきに排尿するようになった。 夜間も頻尿は続いているという。 また、前立腺がんでホルモン療法を行った70代の男性も同じく夜間頻尿を訴えて来院した。 ある60代の婦人は昼夜問わず著しい頻尿と排尿痛を訴えて来院した。この方は間質性膀胱炎と診断されていた。 中国伝統医学ではこのような夜間頻尿をともなう頻尿の場合、腎(下垂体副腎系)の機能低下がその病態の基礎にあると考える。 従って、治療は腎を強化することを主体として個々人の病態に対応した処方を作成する。 #
by tetsu1948
| 2017-08-19 14:29
|
ファン申請 |
||