正常眼圧緑内障は眼圧が原因ではないので、眼圧を下げても進行は止まりません。 高眼圧緑内障(眼圧22~40)では手術により眼圧を下げることで,視野欠損の進行が止まったり、緩やかになります。しかし、正常眼圧緑内障では手術後に急激に視野が悪化することが多いです。眼科医は手術により眼圧を下げれば視野の悪化がゆっくりなると主張しますが、正常眼圧緑内障(眼圧10~21)ではそのようなデータはありません。
日本人に多い正常眼圧緑内障(眼圧21以下)の原因の多くは胃腸虚弱(消化吸収力が弱い)に依ります。 また、心理的トラウマ、精神的ストレス、自律神経失調、血流障害、エネルギー代謝の低下、食生活の不摂生、 多量の飲酒、ひどい近視、低体温、冷え性、 低血圧、なども原因となります。 また、更年期の内分泌器官の機能低下(エストロゲン低下)とそれに伴う交感神経系の機能亢進などは緑内障を悪化させます。また、骨折、外傷、外科手術なども緑内障を悪化させます。
これらの原因が複数重なってしまうと、緑内障は進行します。約100万本の神経線維の束から徐々に線維が減っていくため、視野のうち、減った線維が担当していた視野も部分が見えなくなり、最悪、緑内障により失明する。視神経は脳神経の一つで、一度死ぬと回復しません。実際は、緑内障では視神経は徐々にゆっくりと障害されます。障害が長期間続くと視神経は死んでしまいます。死んでしまった視神経は蘇生しません。しかし、ある時点では障害の程度が異なる視神経が混在している。ある時点で欠損している視野に対応する視神経が全て死んでいるわけではありません。障害の程度が重症な視神経は光を感じないので視野が欠損します。ところが、 まだ完全には死んでいない瀕死の状態の視神経は蘇生させることができる。障害を受けた視神経が完全に死滅するまでに数年かかると言われています。 また、ある時点で視野検査では視野の何%が障害されているというデータが示されますが、例えば視野の50%欠損とのデータでも実際は50%視神経が死滅しているわけではありません。例えば50%のうち10%の視神経は障害を受けて機能低下しているが死滅してはいない。 この場合、治療により視野欠損の進行は止まり、この10%の視神経は機能が回復し結果、視野欠損は改善します。この障害を受けて機能低下した10%の視神経はそのまま放置しておけば3~4年で本当に死滅します。しかるに、各人の緑内障の原因に対して適切な漢方治療を続ければ3〜4年は視野欠損が改善し続けます。
中国伝統医学(○○湯で治療する、いわゆる日本の漢方ではない)では同じ緑内障でも個々人の五臓六腑の病態診断が異なります。各人の診断結果に基づいて各種生薬を組み合わせて(20~30種類)オーダーメードの煎じ薬を作成します。 日本漢方のように既成のOO湯で治療することはありません。 病名が同じ緑内障であっても個々人によって視神経が死滅する病態が異なります。 個々人の病態を診断して、その結果に基づいて20~30種類の生薬を組み合わせた処方を作り上げます。したがって、同じ緑内障でも生薬の組み合わせは個々人で異なります。