失明の漢方薬治療法（視神経脊髄炎、緑内障）

大学病院に勤務していた頃、眼科からの紹介で完全に失明して一年経過した５０代後半のキャリアーウーマンが漢方外来を受診した。　原因不明の突然の失明で両眼とも真っ暗で何も見えない状態であった。詳細な伝統医学的診断の基に２４種類の動植物生薬を組み合わせて煎じ薬として処方した。　一年も経過した完全失明なので、回復は難しいと思っていたところ、２ヶ月後に物の輪郭がはっきりと判るまでに回復した。　色彩は判別できないが包丁の輪郭もはっきり判るので料理することもできるようになった。　治療したほうがびっくりしてしまった。　この方はその後の検査で抗アクアポリン抗体陽性で視神経脊髄炎の診断が付いた。　視神経脊髄炎は視神経と脊髄の急性炎症で急速に失明する場合が多々ある。その後、やはり５０代の女性で視神経脊髄炎で視野狭窄を引き起こした方が漢方外来に来院した。この方にも、２８種類の伝統医学の生薬をブレンドした煎じ薬を服用してもらった。　３ヶ月後の視野検査では視野欠損は著しく縮小していた。　失明の原因は緑内障が多いが、以前にもこのブログで紹介したが緑内障の治療も的確な伝統医学による生薬処方を煎じ薬として服用すれば、先天的小眼球症などを除いて、ほとんどの緑内障は視野が改善し治癒し、失明するのを防ぐことができた。　ここ１０年、脊髄小脳変性症、多発性硬化症など種々の神経難病の伝統医学による治療法の開発研究を行ってきたが、緑内障など視神経の萎縮や網膜疾患の治療は比較的容易であった。