かつては「てんかんは原因不明の不治の病である」と考えられていましたが、その後、治療薬の進歩によっててんかんの70%は薬を飲み続けていればてんかん発作は抑制されコントロールすることができるようになっています。 一般に、早期に発作予防薬の服用をが開始されればてんかんの予後は良好でテグレトールやデパケンなどの抗てんかん薬を飲み続けていればてんかん発作はかなり抑えられるとされています。しかし、
抗てんかん薬でてんかんが治るわけではない。13才の男子が意識消失発作を起こし、脳波でてんかんと診断されたが、てんかんをコントロールするために長期に抗てんかん薬を服用し続けるのを嫌って母親に付き添われて外来にやってきた。 伝統医学的診断に基づいて20種類の生薬を混合して投与した。
3年間にわたり半年ごとに脳波を検査し治療経過を観察した。その間てんかん発作は起こさなかった。脳波は最初は脳の広範囲にわたってspike & waveがみられたが、しだいにspike & wave(てんかん波)の程度と範囲が減少しつづけ、3年後の脳波ではspike & wave(てんかん波)が消失していた。その後も毎年脳波の検査を行っているが22才になる現在まで5年間脳波の異常は認められない。念のため、同じ漢方処方を服用しつづけているが、その後は一度もてんかん発作もおこしていない。てんかんによる
脳細胞の異常脳波が治ったのということはてんかんは漢方治療で治るということであろう。伝統医学では生薬治療で3年間発作が起きなければ治療が成功したされ、5年間発作が無ければ完治したとされる。 しかし、漢方治療が有効であるといっても、
いわゆる漢方薬のooo湯でてんかんが治るということではない。ある人は漢方医のところで、oo湯とoo丸を処方されたが効果がはっきりしないと言ってきたが、
理由は同じてんかんでも個々人で異なるシステム異常に対応した生薬を組み合わせたカスタムメイドの処法を作成することで初めて有効な治療になると言うことであり、既製の漢方方剤では効果は期待できない。実際、伝統医学のシステム理論と生薬の高度な知識が無ければ、診断もできないし、有効な治療する生薬の処方を作成するすることもできない。